ある時エレベーター等のモニターに映る自分のつむじ見て愕然としたり、他人に頭頂部の髪の薄さ指摘され「ドキッ」としたことはありませんか?
生え際など前側が全く薄くない人が、つむじ付近のてっぺんが薄くなり「何で俺が…」と(頭髪に)自信があった分ショックも大きかったりします。
頭頂部のつむじ付近が薄くなるてっぺんはげ、いわゆる「つむじハゲ」ですが、普段自分ではなかなか見えない場所です。
今回の記事では、そんな静かに忍び寄る「つむじハゲ」について、判定方法や発症の原因、対処法について解説いたします。
つむじハゲの基準とチェック方法
つむじハゲの基準
つむじハゲかどうかを判断する基準は次のとおりです。
つむじハゲを発症すると、ヘアサイクル(髪の生えかわり周期)が異常をきたします。
そのため、毛髪が細く張りがなくなり少量となるため頭皮が透けて見えたり、つむじのうず巻きもぼやけて方向が分からなくなります。
また、つむじの正常な頭皮の色は「白色」または「すこし青白い色」をしています。
つむじの頭皮が赤色または茶色の場合、紫外線の影響や乾燥・炎症などにより頭皮環が悪化しつむじハゲが発症するケースがあります。
つむじハゲの簡易的なチェック方法
つむじハゲの基準はいずれも見た目によるものですので、主観が入りがちです。
主観を排除するために次のことを試してみるのがお勧めです。
- 親しい人から、つむじが薄く見えるかどうか判定してもらう
当たり前のようですが、これがチェック方法の中で主観のない最も簡単な確認法となります。
家族など遠慮のない関係の人につむじが薄くないかどうか聞いてみましょう。
仮に薄いと指摘された場合は、客観性があるためつむじハゲの可能性は高いといえます。
※家族などからの指摘も十分ショックを受けるとおもいますが、学校や職場の仲間から急に指摘されるショックよりはずいぶんマシなはずです。
正確な判断は専門クリニックで
「いくら家族といえども気を使って本音で判定してくれない」または「他人の判定だから客観性があるといっても、突き詰めれば他人も主観で判定しているに過ぎない」とお考えの方へ。
おっしゃる通りです。この辺りが個人によるチェックの限界となります。
上記のつむじハゲ基準に該当する方、または該当しないがつむじハゲに思えて仕方のない方は、思い切って専門クリニックでしっかりと診断・判定してもらいましょう。
専門クリニックの診察を受けることで、つむじハゲに該当しなければモヤモヤとした不安は取り除かれますし、残念ながらつむじハゲに該当しても、薄毛治療を速やかに行うことが出来るといったメリットがあります。
受診先はAGAクリニックか皮膚科となりますが、ここでも1つポイントがあります。
それは「対面診察が可能なAGAクリニックによる判定が確実」ということ。
最近はオンライン診療型のAGAクリニックが増え、対人診察より気軽に受診できAGA治療薬も安価で人気です。
しかし、つむじハゲの判定を求めるクリニックとしては、しっかりと頭部を診察する必要があるため、マイクロスコープなどで詳細に毛髪や頭皮の状況を確認できる対面診察のクリニックの方が適しています。
つむじハゲの原因
AGA(男性型脱毛症)
髪の毛のには1本ごとに抜けては生えるを繰り返すへアサイクルが存在します。
ヘアサイクルが終了するとその髪の毛は再び生えることなく寿命を全うします。
このヘアサイクルが極端に短くなり頭髪が薄くなるのがAGA(男性型脱毛症)と呼ばれる症状です。
AGAが発症する原因は簡潔にいうと「遺伝」です。
生え際部分(前頭部)やつむじ部分(頭頂部)の髪のヘアサイクルを短縮させるジヒドロテストステロン(DHT)と呼ばれる悪性の男性ホルモンを体内で生成させやすい人がAGAを発症します。
AGAが発症原因は遺伝によるため、年齢や生活習慣等とは一切関係なく発症します。
不健康な生活習慣
AGA以外のつむじハゲの原因として考えられるのが「睡眠不足」「食生活の乱れ」「頭皮環境の悪化」「ストレス」等の生活習慣に関わるものとなります。
睡眠不足
睡眠不足は髪の成長に必要な成長ホルモンの分泌が減少し発毛を阻害する要因となります。
食生活は偏ると髪の生成に必要なタンパク質などの栄養素を身体が吸収できず髪の生成や脱毛に影響を与えます。
頭皮環境の悪化
以下の事項は頭皮に負担がかかり脱毛を引き起こす原因となります。
- 直射日光を長時間浴びるなど紫外線を多く受ける
- 頭皮に合わないシャンプーの使用
- 洗髪時やブロー時に爪やクシで頭皮を傷つける
- パーマやカラーリングを頻繁に行う
ストレス
ストレスは自律神経(内臓や血管などのはたらきを自動的に調整してくれる神経)の乱れを引き起こします。
自律神経の乱れにより頭皮の血行が悪くなりつむじの毛根に血液からの栄養が行きわたらなくなります。
つむじハゲの対処法
つむじハゲの隠し方
つむじを目立たせない「ヘアセット」
最もお手軽なつむじハゲ対策は「髪の分け目を変える」ことです。
いつも分けている位置とは違う分け目にすることで、つむじの薄さをカバーできることがあります。分け目をつけずふんわりセットがポイントです。
また、軽度のつむじハゲ隠しのヘアセットとして少々テクニックが必要ですが「疑似つむじ」を作るのも効果的です。
引用元:INTI
つむじ横の薄くない部分に「疑似つむじ」をワックスとスプレーで作り、本物の薄いつむじを隠すテクニックです。
つむじを目立たせない「ヘアカット」
男性は定番のショートカットが間違いありません。ショートカットにすることでつむじ部分とそれ以外の毛量の差が少なくなることで見た目の薄さが緩和されます。
●ショートモヒカン
引用元:HOT PEPPER Beauty
短くカットした髪を中央に寄せて薄いつむじをカバーできます。
モヒカンで立たせた部分がポイントとなり、つむじへの視線をそらす効果も期待できます。
●ツーブロック+七三分け
引用元:HOT PEPPER Beauty
七三分けはつむじを避けて分け目を作ることができ、薄さをカモフラージュできます。
七三分けはぴっちりと分け目を入れずふんわりさせるのがポイント。今風に演出できます。
七三の誠実さとツーブロックによる清潔感でビジネスシーンにもぴったりマッチします。
いずれの髪型も、理髪店や美容室で相談する際は「トップ(頭頂部)のボリュームが出るように」カットしてもらうようお願いしましょう。
増毛パウダーの使用
「増毛パウダー」 とよばれる髪になじむ薄毛隠用のパウダーがあります。
増毛パウダーは、上記のヘアアレンジと併用することでつむじハゲを効果的にカモフラージュすることが出来ます。
引用元:暮らしの幸便
増毛パウダーを気になる部分にさっと一振りすることで、かなり頭皮が目立たなくなるため使いやすく、値段も安価で使用するハードルが低いのもお勧めするポイントです。
ただし1点使用上の注意点があります。それはまったくの無毛部分への使用はNGです。
増毛パウダーは薄い既存毛と混ざり合い、既存毛をわり増すことで増毛感を演出します。全くの無毛部分に使用するとテカリが出て違和感につながります。
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つむじハゲの治し方
「つむじハゲの原因」は上記のとおり複数あります。
そのため、つむじハゲの治し方は原因ごとに異なります。
AGAが原因でつむじハゲとなった場合の対処法
AGA治療薬のによる治療
AGAを治療するには、正しいAGA治療を行うことが重要です。
AGA治療の基本は薬物治療であり、以下のAGA治療薬を使います。
- フィナステリド…内服薬。抜け毛を抑える「守り」の治療薬。
- デュタステリド…内服薬。フィナステリドと同様に抜け毛を抑える効果あり。
フィナステリドより効果の守備範囲が広い。
フィナステリドが効かなくてもデュタステリドなら効くケースあり。 - ミノキシジル…頭皮に塗る外用と内服の両方あるが、外用が基本。
発毛を促進する「攻め」の治療薬。
これらの薬物治療は、半年から1年ほどで効果があらわれ継続することが必要です。
下記の写真は筆者のつむじです。
ライティングやヘアセットの有無に違いがありますが、AGA治療薬のフィナステリドの内服(0.5mg)とミノキシジル外用を1年使用することで、改善を実感しました。
植毛による治療
AGA治療薬による薬物治療で効果が見込めない場合は植毛の出番となります。
しかし、植毛は生え際などの薄毛改善に高い効果を発揮しますが、つむじハゲへの効果はそこまで劇的なものではありません。
理由は、植毛の得意技である「実際の植え付本数以上の見た目」にしづらいためです。
要するに良い意味での「植毛によるごまかし」がつむじハゲには発揮しづらいのです。
つむじは毛が放射状にうずを巻いて生えています。
植毛は毛の流れに沿って植え付けますが、上から見たときに他の部分よりも移植毛で地肌が隠しづらいといった難点があります。
しかも、ぱっと見でつむじが薄く見える場合とは、すでに広範囲に薄毛が進行してる場合が多く、植毛範囲も広く大量の移植毛が必要となるため、少量の移植毛では満足出来ない場合が多いです。
植毛方法の選択は大量植毛が可能な「FUT法」が最適です。
限られたドナー数で最も効果的にカモフラージュできる提案力、一度に多くの植毛をスピーディーに行える高い技術力があるクリニックで手術を行わないと満足のいく結果は得られません。
上記の理由から、つむじハゲへの治療アプローチはフィナステリド(デュタステリド)、ミノキシジルの薬物治療を基本とし、植毛は補足的な活用がベターとなります。
生活習慣が原因でつむじハゲとなった場合の対処法
生活習慣が原因の薄毛は、正しい生活習慣に戻すことで改善が期待できます。
良質な睡眠をとる
起きる時間を一定にし、10分程度の朝日を浴びることで体内時計が正常化し寝つきもよくなり質の良い睡眠につながります。
栄養バランスを考えた食生活を送る
PFCバランス(タンパク質、脂質、糖質)の取れた食事を心がけましょう。海藻類を特段多くとる必要はありません。「海藻は髪に良い」は俗説です。
1人暮らしなどで自炊が面倒な方は、自炊以外の食事でもバランスがとれていれば大丈夫です。外食やコンビニ弁当が多い方は野菜が不足しがちなのでその点だけ注意しましょう。マルチビタミンなどのサプリメントで栄養を補助するのもおススメです。
正しい洗髪方法を身に付ける
頭皮環境を整えるために日々の洗髪に気を配りましょう。
洗髪は爪を立てず指のはらで揉むように洗います。またすすぎはしっかり行いましょう。洗髪の倍の時間をかけてすすぐことでシャンプーの洗い残しを防げます。
精神的なストレスを溜めない
現代社会でストレスをまったく受けないことはほぼ不可能です。ストレスの根本原因が解消できれば問題ないですが、解消が難しいからこそストレスにつながっているものがほとんどだと思います。
そこで、上記の「睡眠不足解消」「バランスの良い食事」、加えて「適度な運動」を行いましょう。人間の身体は「精神」と「肉体」は互いに影響を与えます。
ストレスで精神が疲弊しているときは、肉体面から身体に良いことを行うと精神的ストレスにも有効であると化学的に証明されています。規則正しい生活習慣や適度な運動により幸福や活力を感じるホルモン(セロトニン、ドーパミン)が分泌されます。
また、「好きなことに熱中する」こともおすすめです。人間は複数のことを同時に考えられない生き物です。自分の好きなことに集中することでストレスとなる余計ことを思考から追い出すことで、ストレス緩和に大きくつながります。
自分なりのストレス発散をみつけ、ストレスと上手に付き合いましょう。
改善方法は上記のとおりいたってシンプルですが、いずれも継続出来るかどうかが試されます。
継続するポイントは「習慣化」。人間は3週間物事を継続すると習慣化すると言われています。
ぜひ3週間生活習慣の改善を続けましょう。習慣化すれば続けることが苦ではなくなります。
まとめ
つむじハゲの対処法は原因ごとに異なります。
まずは原因と思われるものを見つけ出し、それに対応する対処法を試してみましょう。
特に「原因に関係なくすぐに試せる対処法」は、ハードルも低く即効性があるのでぜひ試してみてください。
- AGA治療薬による治療…フィナステリド(デュタステリド)、ミノキシジルによる薬物治療。
つむじハゲの治療はこれが基本。 - 植毛…植毛はAGA治療薬による治療の補助的な位置づけとなる。
大量の移植毛が必要なためFUT法による植毛が推奨。
- 良質な睡眠をとる…決まった時間に起きて朝日を浴びることで体内時計を正常化。入眠しやすくなる。
- バランスの良い食事をとる…自炊が難しければ外食やコンビニ弁当でもOK。ただし栄養バランスを気を付ける。サプリを補助的に使うのもよい。
- 頭皮環境の改善…頭皮に負荷をかけない正しい洗髪方法をチェック。洗髪はすすぎが重要。洗髪の倍の時間をかけてすすぎ残しをなくす。
- ストレス解消…ストレスを全く受けないことは不可能。いかにストレスを発散するかが重要。規則正しい生活、適度な運動、好きなことを見つけるとストレス発散に効果的。
- ヘアアレンジ…普段の髪の分け目を変える。整髪料で薄くない部分に「疑似つむじ」をつくり、本物の薄いつむじを隠す。
- ヘアカット…おススメカットは「ショートモヒカン」「ツーブロック+七三分け」
- 増毛パウダーの使用…自身の毛髪に合ったカラーを使う。ただし無毛地帯への使用はNG。かえって違和感が増す。
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